帰 郷 列 車


東京発23:28大垣行きの鈍行が
蒲郡あたりのレール上を転がりつづけている

前後左右上下に揺れる浅い眠りを
駄々っ児になってむさぼり繰り返している僕は

尻の皮が厚いとはよくいったものだ
して面の皮は蚊に喰われねば

ああ大阪はまだか
新幹線なら高いけど速いが速いけど高いと

レールのようにつづくわかりきった話を
枕木になって行きつ戻りつ

どこまでもつづく見知らぬ町の灯りの粒々を
終着までいくつくらい指で潰して消さねばならないのか

ここらでもマンションはお日様を隠すまで建てられるんだ
不動産屋は真夜中に動き出す と

すると急に闇がギザギザに裂けて明るくなりだし
トンネルの中の列車の外を蛍光灯が照らしていた

いざ腹が減っては食事ができる
何とかならんか駅弁の鈍い茶は!






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