朱雀中央卸売市場のピーマンの星
まず反対することによって
君は君の立場を知らしめようとし
賛成にも反対にも絶対反対して
誰の影響も受けやしないと
大口叩いてきたのだが
それは誰の影響だったのか?
昔の学生の時代だったなら
反体制も
体制に他ならないとぶつところだが
最近の学生はでえっきれいだ特に
たくましいスネ毛がといいつつ
君も学生だったということは
いくら君が矛盾好きの視力1.5とはいえ
度がすぎるもっとも
同情票を集めるためなら
勤労学生ですと逃げることもできようが
途中で仕事をやめてしまったのだから
君にはその資格はあるまいだから
学生も辞退しようとして
喫茶店の隅で求人欄を鷹の眼で見て
電話も大嫌いだったから
先輩の背広とネクタイで首締め突然面接!
明日きてくれといわれて
はいとこたえて
明日行かなかった
そんなことを何回もくりかえし
そのたびに君はこの世の君の
存在場所がだんだん小さくなっていくのを感じいっそのこと
溶けて流れて消えちまえと示壽り
金は天上の回り物なのさと
資本主義経済をうらんで借金重ねたわりには
むだ遣いが多かったのはなぜ?
共産主義でも結局同じことで
要するに一人である
そう思ってとにもかくにも
唯一資本の体だけでも鍛えようかと
1979年9月16日眠れない午前三時にジョギングをして
君は偶然朱雀中央卸売市場の脇を通るそのとき
大勢の人がキャベツつぶれるほどの大声を出して働いていたのだった
広い市場で一所懸命
そしておそらく一生懸命
目くらましにあったほどまぶしかったから
君は立ち止まり君はうつむき君は空を見る
ああピーマンのような星!
あれから五年の時が壁のように立って
東京へ引っ越しもしたけれど
あのときのまぶしさが君の今の両脇を地面のようにささえていることなんて
君はすっかりわすれちまって
ネクタイの絞死刑とか
からえずきとか
甘いたわごとまい日くりかえしているのサ
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