ぼくらはいつでも二人だった
ぼくらはいつでも二人だった
いいたいことは一つもいえずに
いいたくないことくりかえしいっていた
ぼくらはいつでも二人だった
電車の窓から手をだして
逃げてく風景をつかまえていた
ぼくらはいつでも二人だった
風がなくなると君はFOCUSを僕はFRIDAYを熟読して
読み終わったところを行先にした
ぼくらはいつでも二人だった
それからたいがい神社やお寺にいって
墓地で隠れんぼと口づけをしてから
ぼくらはいつでも二人だった
バスに乗って灯台めぐりをした
水平線から子供の波がやってきて
ぼくらはいつでも二人だった
岸辺ではすでに大人になっているのだ
早く大人になりたいわと君はいった
ぼくらはいつでも二人だった
早く子供にもどりたいよと僕はいった
君は行く末を僕は来し方を見つめながら
ぼくらはいつでも二人だった
いつのまにか春だったから昼寝をして
帰りたくないねと寝言をもらし
ぼくらはいつでも二人だった
帰ってくるのだった
君の家のぐるりを山手線のように何周もして
ぼくらはいつでも二人だった
何十周もしたのだ
ぼくらはくりかえす一つの時代だったから
ぼくらはいつでも二人だった
それはいつでもと信じていたのだ
ぼくらはいつでも二人だった
それがいつでもと信じすぎて
ぼくらはいつか1人ずつになるだろうその時
僕は写真よりも正確に
君の顔を思い浮かべてみせるだろう
もうあんな時代は二度とこないと
ぼくらはぼくらでないのだと
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