<アルコール依存>
●「依存」とは
ある薬物の精神的効果を反復体験したいために、あるいは薬物がなくなったときに生じる不快さを避けるために、その薬物を持続的ないし周期的に求める強迫的な状態を言う。
薬物依存には
・精神依存(効果を求め不快感を避けるためにやめられない)
・身体依存(やめることにより離脱症状が起こる)
・耐性(同じ効果を得るために以前より大量に薬物が必要となる)の3要素がある。
アルコール依存症は、アルコール関連の精神障害の一つである。
他に、急性アルコール中毒(単純酩酊・複雑酩酊・病的酩酊)、アルコール精神病(振戦せん妄・アルコール幻覚症・アルコールてんかん・ウェルニッケ脳症・コルサコフ精神病・アルコール性痴呆)などがある。
平成9年度版厚生白書の概要では、230万人に達するアルコール大量消費者となっている。H9.6.30の疾患名別年齢階級別在院患者数(アルコール依存性)の総数は17,568人である。
アルコール依存症による健康、家庭環境、職場での人間関係の破壊や経済的圧迫、事件、事故など個人の問題だけではない。アルコール依存症による社会問題は計り知れないのである。
しかし、往々にして一般社会での対応をこなしているため表面に出にくく、家庭内で徐々に家族関係が壊れていく。これは病気なのだ、と認識して治療へと導く家族が必要である。
以下にアルコールに関連する身体疾患を示す。
*中枢神経
・コルサコフ精神病・ウエルニッケ脳症・アルコ−ル性痴呆・肝性脳症・ペラグラ脳症・アルコ−ル性小脳変性症
*末梢神経
・アルコ−ル性多発神経炎・アルコ−ル筋炎(ミオパチー)
*肝臓
・アルコ−ル性脂肪肝・アルコ−ル性肝線維症・アルコ−ル性肝炎・アルコ−ル性肝硬変症
*消化器系
・アルコ−ル性急性膵炎・アルコ−ル性慢性膵炎(→糖尿病)・アルコ−ル性食道炎・胃炎・食道静脈瘤・マロリーワイス症候群
*心臓
・アルコ−ル性心筋炎
*その他
・骨に対する障害(特発性大腿骨骨頭壊死症など)・血液に対する障害・皮膚の障害・高血圧
*FAS(胎児性アルコール症候群)
・妊娠中に飲酒することによって、生まれた子どもにに起こる異常をまとめたもの。具体的には、低体重・低身長で頭が小さく、特徴的な顔面などの発育不全と、知的発達障害などの中枢神経系の異常を認める。